サンダルを大事に履くために珪藻土コースター「Soil」

2012年05月11日

『間奏曲』@自由劇場

お芝居に興味ありそうな友人・知り合いの人たちと、大挙して行って参りました。
劇団四季の『間奏曲』

意外と知られていないのですが、四季では結構定期的にストレートプレイが上演されています。
ミュージカルとはまた違った楽しみ方ができるので、熱心に全作品!ではないものの、チャンスがあると観に行っています。

『間奏曲』は今回初観劇。

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フランスの小さな町に、最近「幽霊」が出るという噂。
その噂が住民を動揺させている、と聞きつけ、国から「視学官」が派遣されてくる。(視学官は、教育に関する指導を行う国の役人、といったポジションのようです。「学事の視察や教員の監督」となっていますね。)

若く清く美しいと評判のイザベルは、その幽霊の“彼”とのコンタクトにどうやら成功、毎夜彼に会うためにその場所へと足を向ける。目に見えない不確かなものに憧れるイザベル。

「視学官」はじめとする一部の年配者たちは、その動きを不穏なものと捉え、イザベルを囮に幽霊を排除することを計画する。
一方、イザベルに好感を持つ青年たちは、その動きを知り、彼女の身を案じかけつける。
そうして計画実行のその日、その時間を迎える…。
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淡い色合いの、絵本のようなセットの中、セリフにはちょっと向かない感じの言葉と語り口が繰り返されるので、ちょっと眠くなったという声もちらほら…。脳内でセリフを時々漢字に変換しつつ、集中して聞かないと確かに話を理解するのがちょっと難しかったかも。
ただ、二幕に入るとその雰囲気にも慣れてくるし、ぐんとテンポがあがり観やすくなります。

特に、イザベルに思いを寄せる青年が、自分が仕事で地方を転々とすることへの考え方を熱く語るシーン(そういうポジティブな考え方があったのか!と目からうろこでした。)、幽霊とのやりとりはとても面白かった。

不確かで、身近にはない世界に憧れる若い女性の変化を軸にして、地味ではありながらも日常的な活気あふれる世界こそが、私達にとって大切なもの、寄り添っていくべきものなんだよ、というメッセージがこのお芝居の肝なのかな、と感じました。
出演されている人たちは、劇団四季の他の演目では主役を張ったことのある人、脇からきゅっと舞台に良い味を持たせることで名高い役者さんが多数。
小難しい言葉を使いつつも、間合いの取り方で時々観客席をくすりと笑わせる技量は、さすがでした。

終演後、みんなでビールを飲みつつ、観劇の感想を交換。
間奏曲ビール

プロとして舞台に関わっている人もいたのですが、その人達の視点も面白かった。
・マイクを使っていないような自然な声の伝わり方に驚いた。
・とにかく舞台装置が豪華。二幕で登場する書割が面白い。
・紗幕を使っていることに驚いた。透けて見えるのに、照明で中が全く見えないようにして、場面転換もしているんだね。
・幕間20分で、床にカーペットを貼るなど、これほど大きな転換をするとは!
・幽霊と、生きている人のピンスポットの色味の違いが、くっきり使い分けられていて絶妙。

また、劇団四季でこういったジャンルの芝居をしているとは全く知らなかったから新鮮だった、と、これはみなさんの感想。
私は大抵舞台を見るときは1人〜3人なのですが、こうして大勢で観て、そのあとなんだかんだと話し合うのも面白いですね!またチャンスがあったら行きましょう~。

主なキャストは以下でした。

イザベル:坂本里咲  検査官:田邊真也
視学官:志村 要   町長:石波義人
薬屋:味方隆司    アルマンド・マンジュボワ:菅本烈子
レオニード・マンジュボワ:斉藤昭子
首斬り役人:金久 烈 幽霊:佐野正幸


坂本さん。かわいいなあ、と私は普通に観ていましたが、初見のみなさんは「やはりちょっと設定年齢が…」との声アリ。うーん、そうかあ。
田邊さんがえらく感じ良くなっていて驚きました。今後さらに期待。
志村さんの、この小憎たらしい感じ、たまらんですねえ。
あと、味方さんの、さっぱりした諦念感もとても良かった。この舞台で一番印象に残ったのは味方さんでした。
菅本さん&斉藤さんの老姉妹っぷりもなんとも言えない可笑しさがあり。しかしお二方とも、いらっしゃるだけで舞台が締まる大事な役所をいつも演じていらっしゃいます。
佐野さんのぎょろっとした瞳と生真面目な顔、だからこそのコミカルな動きも楽しめました。

小さいながらも丁寧に仕上げている印象の舞台でした。

ジロドゥ戯曲全集〈2〉ユディット、間奏曲
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akikoyanagawa at 02:18 │Comments(0)TrackBack(0)

劇団四季 

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