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2009年05月24日

劇団四季『春のめざめ』ステージシート

劇団四季『春のめざめ』。
2度目の観劇(公開稽古を入れると3度目)は、舞台の上の客席・ステージシートからでした。

ネタバレをしちゃおうか迷ったのですが(そこで面白かったこともたくさんあったので)、公式blogで紹介されている範囲のみにしておきますね。
公式blog該当ページには、ステージシートから見える舞台の写真もアリ。

まずはちょっと勝手の違う、ステージシートに座るまでの話から。

入り口でチケットを見せたときに席を確認され、手の空いたスタッフさんから説明を受けます。

◎荷物はロビーにある専用ロッカーへ。傘はクロークで預かってくれます。
◎舞台途中では退席できない(気分が悪くなったら、舞台上にいるスタッフに手を挙げて知らせる)
◎役者がしょっちゅう近くを通るが(ステージシートの中に、役者が座る席もある)、触らないように。

というのが主な注意。

また、真っ白な服はNG(照明の都合もあるのかも)。
この日たまたま、連れがTシャツの一部に蛍光塗料が使われているものを着ていってしまっていたので申し出たところ、黒いパーカを貸してくれました。舞台上が寒い場合も、言えばこれを貸してくれるようです。
(ちなみに、マスクはどうぞしてください、と言われました。乾燥して咳き込むのが心配だったので良かった。)

- - - -
準備をして、席に座ると… 新鮮な視点でなんだかわくわくします。
壁に飾られたたくさんの装飾品や、舞台の上の図柄(樫の木)や、そこについた傷もよく見えて、まじまじと観察してしまいました。

開演が近づいたところで、上手と下手の担当の人がそれぞれ、もう一度注意点を繰り返します。
人数が多くないこともありますが、丁寧かつ親しい感じで説明をしてくれるので、こちらもリラックスすることができたし、ちょっとした質問(舞台についての質問もOK)もし易かったです。

- - - -
そして、開演。

客席からの見え方とは、想像以上に違っていて驚きました。

公式サイトにも書いてある通り、舞台を足で踏みならす音、俳優さんの息づかい、細かな表情まで、とにかく間近で「体感」することができます。え、ここでこの人、こんな演技をしていたのか?!なんて(ステージシートの席に「ハケている」役者さんに、投げキッスしていたり!)発見もあり、くすくす笑ってしまいました。
役者さんもすぐ近くに座るので(連れは隣がそうでした)、ハケてきたときに息を切らせている様子や、ぷっと吹き出したり、次の出番の準備をしたり、大道具でもある椅子をもとに戻す様子が丁寧だったり、といったことまで、全部感じられたと話していました。

そのほか、私が面白いと感じたのは、真ん中で演技をしている役者さんを、ハケた役者さんが、どんな表情で観ているか、を見られたこと。
おかしいところでは、中央にいる役者さんを見て屈託なく笑っていたり(舞台に背を向けている人の顔が、舞台の上からはよく見えるのです)、涙を拭っていたり、身を乗り出して真剣に観察していたり、じっと見守っていたり。

ああ、これはすごく貴重な体験でした。ここで見られて良かった。

ただし、難点もあって、
歌や音楽の聞こえ方のバランスが悪くなること、正面を向いている人など、一部の役者さんの顔は見えないこと、そしてあの圧倒される舞台の綺麗さ(特に照明の作り出す色の美しさ)を、楽しむことができません。

なので、何度か客席から見たからこそ、より楽しめるのがステージシートかな、と私は思いました。

しかし不思議なのは、こないだたまたまやはりステージシートで『XANADU』を観た時にもそうだったのですが、客席よりも舞台の上の方が、リラックスしすっぽりその世界感を感じつつ、舞台を楽しめたような気がしました。舞台上の世界に一緒に入れてもらったような感じ。これは、ちょっと癖になりそうな感覚ですね。

- - - -
最後に、この日のキャストについて。

公開稽古とは、少し変わっていました。

主役の2人(メルヒオール役・柿澤勇人さん、ベンドラ役・林香純さん)は、慣れていろいろなことがスムーズになってきた印象。
また、大人の男性・志村要さん、大人の女性・中野今日子さんの、それぞれの役を細かく切り替える演技は、近くだと、より見応えがありました。うーん、くるりときびすを返しただけで、他の役に切り替わる。…すごいなあ。

そしてモリッツ役・厂原時也さん!
はじめに見た、三雲肇さんよりも、私はモリッツとして「しっくり」きました。
三雲さんモリッツは、とにかく人が良く、のんびりしたイメージ。なのですが、
厂原さんもリッツは、自分はこう有りたい、という意志がきちんとあるのだけれど、不器用さ故にうまく周りの期待どおりに事を運べない、もどかしさや苦しさが伝わってくるように
感じたのです。
モリッツの役者さんが違うと、メルヒオールの雰囲気も変わってくるところがまた興味深かった。

イルゼ役に石塚智子さん
安定していて、とても良かったのですが、公開稽古で見た金平真弥さんイルゼのあの迫力と存在感を見てしまうと、あ、金平さんでもう一度見たいな、と思ってしまったり。
(ただし、今回は正面ではなく横から見ているので、その辺の違いもあるかもしれません。)

次回は来週土曜日、2階席から見る予定です。

また違ったふうに見えるのではないでしょうか。楽しみです。


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1. 劇団四季『春のめざめ』公開稽古  [ yana'sつれづれ ]   2009年05月26日 20:51
明日(日が変わったので正確には今日、ですが)公開の、劇団四季"Srping Awakening"『春のめざめ』。”ブログ記者”枠で、その、公開通し稽古を観てきました。マスコミ各社、大学生新聞のみなさん、ブロードウェイ版の制作に携わった、スティーヴン・セイター氏もいらして...
2. 『春のめざめ』 @ ステージシート  [ みかん星人の幻覚 ]   2009年05月28日 00:31
こんなに短期間に3度も観劇するのは、珍しい。『コンタクト』の千穐楽直前の頃のよう
3. 来日『American Idiot』@国際フォーラムC  [ yana's つれづれ ]   2013年08月09日 21:13
Green dayのアルバム→ミュージカル化された、『American Idiot』。 はじめての来日公演を観てきました。国際フォーラムCにて。

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この記事へのコメント

1. Posted by みかん星人   2009年05月28日 00:40
こんにちは。
確かに「慣れた人向け」のステージシートだと思いますね。
私も「ハケた役者のしていること」に衝撃を受けました。
ガールズがハンシェンに送る視線の可愛さとか、ちょっとしたアイコンタクトとか、、、
まさに「支え合って、励ましあって創り上げている」のがとても伝わってきて、別の意味での感動がありました。
ですから、あの席は『春のめざめ』という作品を観るのではなくて、「『春のめざめ』を創っている現場」を楽しむための席なのかもしれません。
そういう意味では、あの物語はダメだけど、ともかく舞台芸術が好きな人には、面白い場所かもしれません。
むしろ『春のめざめ』という物語が好きな人には、辛い席なのかな(笑)
TB失礼します。
2. Posted by yana   2009年06月01日 18:20
>みかん星人さん
コメント&TBありがとうございます。
想像していた以上に、いろいろなものが見える席ですね?ステージシート。すごく楽しかったです。
>ガールズがハンシェンに送る視線の可愛さ
私もあそこが一番の発見でした^^。
そしてあの曲でのテーア!席が近かったこともあったのですが、すんごいキュートだったことが忘れられません。
>「支え合って、励ましあって創り上げている」
ホントにそうですね。大人の女性・中野今日子さんの「見守っている」視線に温かい気持ちになったりもしました。
ただ確かに、ウラが見えてしまうところはあるので、人によっては好みが分かれるかもしれませんね。
週末にまた行くのですが、客席からいろいろチェックしてこようと思います(笑)。
3. Posted by himika   2009年06月07日 10:40
5/24のステージシートですか?
実は私も同じ日にステージシート(R14)にいたんです。
またすれ違いになってしまいましたね。(制作発表あたりからなんども同じ場にいたことになりますね。)
厂原モリッツは四季のファンの方には特に人気が高いみたいですね。
私もこの日はじめてみました。
歌も上手だったし、セリフもスムーズでしたよね。
私もまだまだ観に行きますよ?(笑)
4. Posted by yana   2009年06月17日 12:04
>himikaさん
お返事遅くなりごめんなさい?。
そうですそうです、5/24です。
あ、またすれ違いましたね(笑)。
Rの最前列客席寄りでした。妹と一緒に観ていました。
なんというか、とても不思議で心楽しい経験でした♪
反対側ステージシートでもぜひ一度観てみたいな?と思っています。^^

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