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2019年03月03日

NTLive『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』

ずうっと、誰かの言動にハラハラ、いらいら、そわそわさせられ続け、
そして最後に明かされる、違和感の根源。
訪れる朝、窓から差し込む光の圧倒的な美しさ。

観た人の感想に迫力があったので、迷っていたけれど行ってきました。
『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』
Who’s afraid of virgunia woolf?



【ナショナル・シアター・ライブ「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」】


映画館で舞台作品映像を観る「ナショナル・シアター・ライブ」NTLive。
休憩2回、3時間の舞台まるごとを映画館で。

3時間観たからこそ、クライマックスで心が震えました。
これは、たしかに、凄い芝居です。

大学学長の娘である妻に言わせれば、「負け犬」の夫は歴史学科の助教授。
悪態を付き合う壮年夫婦の家に、
新しく生物学科にやってきた若手の研究者とその妻が招かれます。
大学教員パーティの夜、その帰り道、時刻は深夜2時。

客を前にしても、壮年夫婦が壮絶な罵り合いをするリビングに、居心地悪さを感じながらも、若夫婦はタイミングが図れず、どうにも席を立てない。
徐々にその雰囲気にも慣れてきた頃、壮年夫婦の息子の話になるのですが、若夫婦同様、観客も「あれ?」と会話のなんとも言えない間を不思議に思い始める…。

戯曲の原作者・エドワード・オルビーは、人の感情をあおり、自分にも同じようなことはないだろうか、自分ならどうするだろうかと観客に考えさせる、そんな作品を書くことで有名なのだそう。
私も、まんまとその手腕に取り込まれてしまいました。

1962年の作品とはいえ、今でも考えさせられる内容。

ジェームス・マクドナルド演出、壮年夫婦の妻マーサに、イメルダ・スタウントン。先日NTLiveで観た『フォリーズ』のサリー役で、おとなしめのイメージだったので、がらりと変わっていて驚きました。
【NTLive 『フォリーズ(Follies)』】(2018.10.23)
登場人物は4人。NTLiveを観るたび、「俳優って、すごい」と、改めて感じます。体当たりで、徹底的に他の人の人生を生きる。やっぱりイギリスで、一度は舞台を生で観てみたいなあ。

ヒューマントラストシネマのスクリーン、ほぼ満員でした。


映画化は1966年、エリザベス・テイラーがマーサを演じて、評判になったそうです。
バージニア・ウルフなんかこわくない [Blu-ray]
エリザベス・テーラー
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2016-05-11



原作、Kindleで読めそう。


akikoyanagawa at 21:30 │Comments(0)

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