感想
2013年10月09日
エニシング・ゴーズ@帝国劇場
エニシング・ゴーズ@帝国劇場。
1934年ブロードウェイ初演。この作品の中の曲は有名なものが多く、私も知ってはいるものの、作品は観た事がなかったのと、保坂知寿さん観たさに行ってきました。
ドタバタのコメディ。脈絡のない展開。これぞミュージカル!というダンスシーン。
あっけらかんとしたエンターテイメントで、作品自体の雰囲気は好きなんだけれど、続きを読む
1934年ブロードウェイ初演。この作品の中の曲は有名なものが多く、私も知ってはいるものの、作品は観た事がなかったのと、保坂知寿さん観たさに行ってきました。
ドタバタのコメディ。脈絡のない展開。これぞミュージカル!というダンスシーン。
あっけらかんとしたエンターテイメントで、作品自体の雰囲気は好きなんだけれど、続きを読む
2013年01月04日
映画『レ・ミゼラブル』
年始に、映画『レ・ミゼラブル』を観てきました。
舞台版は、1990年頃、高校生で初めて観て、その後数回観ています。全て日本での公演、帝国劇場。
あとは、10周年記念コンサート(鹿賀丈史さんが最後ゲストで日本のジャン・バルジャン役代表として登場)のDVDも好きです。
セリフを覚えるほど…ではないのですが、好きなナンバーは諳んじています。
というのが、私のだいたいの『レ・ミゼラブル』知識。
熱心なファンとは言いがたいけれど、好きなナンバーやシーンも多く、「壮大な作品だなあ」と感じています。
予告編を観て、おおさすがに、バリケードのシーンとか、One Day Moreとか迫力ありそうだなあ!と楽しみにていました。
だったのですが。
観終わってからの感想としては、「残念…!」でした。
でも、今回映画を観て良かったな、と思った点もありました。まずはそこから。
“ジャン・バルジャン”という人の気持ちの揺れや、生き方がくっきりと見え、ああ、こういう人だったのか、だからあのときこういう行動をしたのか、と、彼の行動への共感や興味が高くなったこと。
舞台で把握している時には、なによりもやっぱり演出の華やかなシーンや、美しいナンバーの印象が強くて、ジャン・バルジャンという人が中心にいることはわかっていても、どうにもそちらに視線が向きにくかったのです。
ジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンもとても合っていたし、表現も豊かで好感を持ちました。2004年のトニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞した、ブロードウェイの舞台『ザ・ボーイ・フロム・オズ』、名前だけは聞いていたけれど、これも観てみたいな…と思いました。
もう一人、観る前から評判を聞いていた、エポニーヌを演じたサマンサ・パークス。
彼女の表情もとても素敵でした。気の強そうな表情、それでいて夜中の石畳の道に佇むぽつんとした姿の頼りなさ。
彼女は25周年コンサートでもエポニーヌを演じていたのですね。ううむさすが。いつか、舞台に立つ姿を観てみたいです。
また、今回映画になったことで、キャメロン・マッキントッシュ『レ・ミゼラブル』の美しいナンバーの数々が、たくさんの人の知るところになったことは、嬉しいな〜と感じています。
さて、以下は残念だったところ。続きを読む
2012年08月05日
『紙屋悦子の青春』@スタジオAR
はやびと第5回公演『紙屋悦子の青春』を観てきました。
終戦直前の鹿児島の小さな一家が舞台。
既に両親は亡くなり、悦子と兄夫婦の暮らし。
最前線の描写はなく、ふつうの女性の生活のようすが、のんびりした言葉で展開していきます。彼女に起きる変化は唯一、縁談が持ち込まれお見合いをすることになる、ということ。
背後に見え隠れする、あの時代の正論や義務感、圧迫感、閉塞感。
どれだけたくさんの人が、物理的な力と目に見えない圧力によって、心を壊され人生を台無しにさせられたのか。
幸い今の私のまわりにそういう鬱屈した空気はないけれど、今このときでも、実際そういう境遇に生きている人がいるということを考え、いたたまれなくなりました。
小さいセット、少ない人数ながら、とてもしっかりした演技をする役者さんばかり。
大きい舞台での芝居を観ることが多いのですが、こういった小さくも良質なものを観ると、舞台や役者さんには本当にいろんなタイプがあることにはっとします。
堀佳弥さん演じる主人公“悦子”の、芯が強くひたむきな姿や、キムラかなさん演じる、明るくおしゃべりな、それでも周りのひとの幸せをつよく願っている“ふさ”のセリフのひとつひとつが、じっと心に残っています。
あと、明石さん(稲葉能敬さん)と、永与さん(岩澤亮司)の掛け合いがとても楽しかった。セリフではない間合いだけで、お客さんがくすくす笑ってしまうことがしょっちゅうでした。
終戦記念日が近いこの日に、いい芝居と、改めて戦争の中にあった人達のことを考えるチャンスを与えて貰い、感謝。
作:松田正隆
演出:阿部伸勝
悦子:堀佳弥
ふさ:キムラかな
安忠:山村賢
永与:岩澤亮司
明石:稲葉能敬
夫:阿部伸勝
妻:玉木文子
映画も観てみようかなあ。
どんなふうだろう。
紙屋悦子の青春 [DVD]
クチコミを見る
終戦直前の鹿児島の小さな一家が舞台。
既に両親は亡くなり、悦子と兄夫婦の暮らし。
最前線の描写はなく、ふつうの女性の生活のようすが、のんびりした言葉で展開していきます。彼女に起きる変化は唯一、縁談が持ち込まれお見合いをすることになる、ということ。
背後に見え隠れする、あの時代の正論や義務感、圧迫感、閉塞感。
どれだけたくさんの人が、物理的な力と目に見えない圧力によって、心を壊され人生を台無しにさせられたのか。
幸い今の私のまわりにそういう鬱屈した空気はないけれど、今このときでも、実際そういう境遇に生きている人がいるということを考え、いたたまれなくなりました。
小さいセット、少ない人数ながら、とてもしっかりした演技をする役者さんばかり。
大きい舞台での芝居を観ることが多いのですが、こういった小さくも良質なものを観ると、舞台や役者さんには本当にいろんなタイプがあることにはっとします。
堀佳弥さん演じる主人公“悦子”の、芯が強くひたむきな姿や、キムラかなさん演じる、明るくおしゃべりな、それでも周りのひとの幸せをつよく願っている“ふさ”のセリフのひとつひとつが、じっと心に残っています。
あと、明石さん(稲葉能敬さん)と、永与さん(岩澤亮司)の掛け合いがとても楽しかった。セリフではない間合いだけで、お客さんがくすくす笑ってしまうことがしょっちゅうでした。
終戦記念日が近いこの日に、いい芝居と、改めて戦争の中にあった人達のことを考えるチャンスを与えて貰い、感謝。
作:松田正隆
演出:阿部伸勝
悦子:堀佳弥
ふさ:キムラかな
安忠:山村賢
永与:岩澤亮司
明石:稲葉能敬
夫:阿部伸勝
妻:玉木文子
映画も観てみようかなあ。
どんなふうだろう。
紙屋悦子の青春 [DVD]
クチコミを見る