映画

2020年08月01日

ナショナル・シアター・ライブ『橋からの眺め』

イギリス舞台を映画館で、のナショナル・シアター・ライブというプロジェクト。
もう長く続いているので、シェークスピア中心に、著名な作品を、斬新な演出やキャスティングで上演した舞台が揃っています。
ベネディクト・カンバーバッチのハムレット、イアン・マッケランのリア王、ジュディ・デンチの冬物語…

そもそも現地で人気すぎてチケットが取れない、または一時的な特別キャスティングのため、観ることが難しいものが、こうしてしっかりしたカメラワークで残っていて、映画館で楽しめること自体、ありがたいなあと数年前から通っています。

しばらくYoutubeでの週イチ無料配信をしていましたが、映画館での上映が増えてきました。
いまは、過去の作品を少しずつ観られる、毎年恒例の8月スペシャル期間中。
今日は『橋からの眺め』観てきました。池袋のシネ・リーブルにて。
(ひと席置きの配置のうち、半分以上はお客さん入っていたなあ…!人気。)

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アーサー・ミラーが1955年に書いた作品。
出身地イタリアから移住した夫婦が、同じくイタリアからやってきた親戚の移民を匿うことに。
夫婦は17歳になる姪を育てているが、やってきた移民の青年と惹かれ合い、娘のように思っている夫は理由のない怒りを覚えるようになる…。




年頃の「娘」的女性と、自分を父親と自覚するエディの、家族内で起こる普遍的なテーマと、立場が危うい移民の緊張したやりとり。
とことん、自分の「娘の彼氏への嫉妬」や「嫌悪感」に従順なエディは、一歩間違うと観客を敵に回すことになるけれど、マーク・ストロングという俳優さん演じるエディは、「うん…わかるよ、そりゃそう思うだろうね…」という、親近感も引き寄せてしまうんですよね。

怒りに燃える視線や、娘の反発に悲しむ眉毛の表情ひとつで、観る人の気持ちは翻弄されます。
映像かつ録画であっても、舞台に渦巻く感情のながれが目に見えるのは、俳優と制作陣の力あるからこそ。
毎回観終えるとき同様、今回も驚きと満足のため息をつき、席を立ったのでした。

マーク・ストロングさんのインタビュー。


来週はスカイライトを。
これも観た人が興奮して感想を語る作品。気になっていたので、楽しみです。

akikoyanagawa at 21:53|PermalinkComments(0)

2020年07月20日

(ネタバレあり)体感!『機動警察パトレイバー the Movie』

4DXで観てきた〜!
『機動警察パトレイバー the Movie』。

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短期間とはいえ、いろんな地方で観られるようです。
妹も愛媛でこどもたち連れて(amazonプライム+dアニメストアでTVシリーズ見せた上で!)観に行っていました。
以下記事に、上映する映画館リストあり。


動員も多いようで、なんか嬉しい。
昔の映画でも、変わらぬ人気。

「『機動警察パトレイバー the Movie』4DX!公開から3日間、全国56館で興行収入2,600万円、入場者数1万人を突破の大ヒット!」


去年末に、押井守監督さんたちとみんなで、サウンドリニューアル版を大きなスクリーンで観たばかりだったけれど、名作は何度観ても良いですねえ。
オープニングのかっこよさで泣くの何度目だろう。

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機動警察パトレイバーの劇場版、劇音上演(リマスター版)&押井監督伊藤さんたちのトークショー。 最前で観てきた! 当時小学生でビデオで何度も観てきたけど映画館は初めてでした。 1989年にこれが作られたとは改めて凄い。 脚本も画角も間合いも音楽も、全てに意味がありワクワクして。 オープニングだけでもう泣きそうだった。音と映像の躍動感と一体感が大好きなんです。 . あと神田川周りの、古く朽ち果てた街並みを、ひたすら歩き回るシーンの退廃した気配。 OSのブラックボックスを垣間見ようと格闘する、遊馬とシゲさんのテンポ。 「人が悪さをしなければ、機械は正しく動いてくれる」技術者としてまっすぐあろうとする、榊さんと実山さんの会話。 . そして、方舟に乗り込んでからの緊迫感! . セリフはもちろん、次にどの絵が映るかまで、全て覚えているのに、改めて没頭して愉しみました。 . トークショーでは、制作裏話がボロボロと。 松井さんシーンが労力軽減のため生まれたたとはねぇ!あのシーン、今となっては欠かせないキモなだけに、びっくりしました。 . 有楽町の展示も行こう。 来年は、コミックスの表紙など、ゆうきまさみ先生の原画展もあるそうです。 作画はゆうき先生版好きなのでこれもチェックしなくては! . #patlabor #パトレイバー #トークショー #mamoruoshii #movie

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4DXのシートで、レイバー乗っている感覚が楽しめるのも面白かったのですが(アトラクション感!)、

忘れていました、続きを読む

akikoyanagawa at 23:00|PermalinkComments(0)

2019年07月21日

知のハブ、かつ生活を支える場所『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』

ニューヨーク公共図書館のドキュメンタリー、観てきました。
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(Ex Libris: The New York Public Library)
【『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』】

岩波ホールでしばらく上映されていて、反響が大きかったため2019年7月20日(土)から、恵比寿ガーデンシネマで上映がはじまっています。評判を聴いていたのでずっと気になっていました。
(3日前から席の予約ができるのありがたい。
 →【恵比寿ガーデンシネマ】

噂に違わず面白かった!
3時間25分でも全然長く感じませんでした。
 
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ニューヨーク公共図書館とは一館ではなく、マンハッタン各地に広がる、90もの分館を構える組織全体を指します。
 
日本の図書館とは異なり、本を所蔵する場所でありながら、あらゆる人が情報や文化を求めて、ふらりと立ち寄る場でもあることに、まずは驚きました。
児童館や公民館、市民ホールなどの役割も全て担っているのです。

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ニューヨーク公立図書館の資金は、半分はニューヨーク州など公からですが、残りの半分が企業や個人から。半官半民の独立法人です。
 
そのため政治の方針に従うだけではなく、続きを読む

akikoyanagawa at 18:46|PermalinkComments(0)

2019年03月03日

NTLive『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』

ずうっと、誰かの言動にハラハラ、いらいら、そわそわさせられ続け、
そして最後に明かされる、違和感の根源。
訪れる朝、窓から差し込む光の圧倒的な美しさ。

観た人の感想に迫力があったので、迷っていたけれど行ってきました。
『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』
Who’s afraid of virgunia woolf?



【ナショナル・シアター・ライブ「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」】


映画館で舞台作品映像を観る「ナショナル・シアター・ライブ」NTLive。
休憩2回、3時間の舞台まるごとを映画館で。

3時間観たからこそ、クライマックスで心が震えました。
これは、たしかに、凄い芝居です。

大学学長の娘である妻に言わせれば、「負け犬」の夫は歴史学科の助教授。
悪態を付き合う壮年夫婦の家に、続きを読む

akikoyanagawa at 21:30|PermalinkComments(0)

2018年07月08日

NTLive『アマデウス』

イギリスのナショナル・シアターでの舞台録画を、映画館で楽しめるNTLive。
【NTLiveラインナップ】
気になる作品をチェックして、時々観に行っています。

今回は、2017年2月2日オリヴィエ劇場で上演の『アマデウス』。
映画化もされた、1979年初演、ピーター・シェーファーの戯曲です。

作曲家モーツァルトの姿を、同じく作曲家であるサリエリの視点から描いています。
才能を持ち易易と開花させていく人間が身近にいて、それを指を加えてみていることしかできない苦しさや葛藤。
※史実とはだいぶ違う設定にはなっていて(この辺は販売されているパンフレットに説明がありました)、実際こういった感情のやりとりはなかったようですが…



同じ原作の舞台作品を、数年前に松本幸四郎さんサリエリで観たのですが、


(以下ネタバレというほどではないものの、作品の演出に関する踏み込んだ感想はあります)








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akikoyanagawa at 18:43|PermalinkComments(0)

2018年02月27日

「PAPERS, PLEASE」ロシア発ショートフィルム

Steamで販売されていた入国審査官の地味ながらもドラマチックなゲーム、PAPERS, PLEASEのロシア発ショートフィルム。なんとなんと、日本語字幕つき。

あのシンプルな絵柄から、違和感なく世界観をリアル世界に起こしていて、見事です。

「フルバージョン見たい、お金払わせて!」ってコメントがあったけど超同意。
ジョージの登場も切に願います。

PAPERS, PLEASE - The Short Film (2018) 4K SUBS



日本在住(!)のLucas Popeさんが、9ヶ月で作った2013年のゲーム。


ゲーム版、キリンさんの実況が丁寧で好き。


akikoyanagawa at 23:26|PermalinkComments(0)

2018年02月03日

「エンジェルス・イン・アメリカ 第一部 至福千年紀が近づく」

興奮と、感想がまとまらない混乱。

なんだこの作品?!というのが、映画館を出る時の感想でした。
4時間の舞台映像「エンジェルス・イン・アメリカ 第一部 至福千年紀が近づく」を観てきました。
TOHOシネマズ日本橋にて。休憩2回、ストレートプレイです。



* * 以下ネタバレ含む * *

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1980年台、レーガン政権のもと、窮屈な立場で出来る限り自分を生きようと藻掻く人たちの物語。続きを読む

akikoyanagawa at 00:03|PermalinkComments(0)

2017年12月14日

『オリエント急行殺人事件』(2017)

テレビではなく、映画館で観てよかった、と生まれて初めて思った作品だと思います。
『オリエント急行殺人事件』観てきました。

既に内容は知っているし、ストーリー自体にものすごく感銘を受けた訳ではない。のですが!

映像の美しさが物凄かった。
TOHOシネマズ六本木の、特別サイズが大きいスクリーンで、さらにリクライニングできる贅沢シート※1)を選んだため、ほぼ視野が全部スクリーンという環境で観たのも大きかったかも。

しんとした雪山の中を、煙をたなびかせて進むオリエント急行、軋む車輪の音、対して贅を尽くした車内の暖かそうな空気感。
清潔なナプキンと、丁寧に調理された朝食、磨かれたグラスに注がれるワイン。
どっしりしたバーカウンター、重厚なスーツに、お金を掛けられた装飾品の数々。
スクリーンにのめり込みそうなカメラワークも、画面に映し出される色味も、ウェットになり過ぎず、淡々と進む展開の仕方も、びったり好みでした。

今回ポアロを演じているケネス・ブラナーは、続きを読む

akikoyanagawa at 00:01|PermalinkComments(0)