もろこしの“生”!

2018年07月21日

海外舞台を映画館で!NTLive Japanの裏話

一昨年秋くらいから、割と観に行っている、ナショナル・シアター・ライブNTLiveの日本での上映。
【ナショナル・シアター・ライブ(日本)】
【National Theatre Live】

イギリスで行われている企画で、ナショナル・シアターを中心に優れた舞台作品を、映画館で楽しむ、というものです。

基本舞台が上演されているその時間に、映画館で観るというライブビューイングなのですが、日本では翻訳とか集客の都合で、録画されたものが毎回たいてい一週間ほど上映されています。

カルチャヴィルという配給会社さんがTOHOシネマズと協力して、このNTLiveやブラナー・シアター・ライブ上映を日本で5年続けてきています。
その記念シンポジウムと銘打ったイベントに、行ってきました。青山学院大学の本多記念国際会議場にて。

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4時間近い長丁場でしたが、とても面白かった!

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最初に壇上に上がったのは、配給会社カルチャヴィル代表の中村未知子さんと、この企画においては中村さんの右腕と言っても過言ではない、演劇ライターの兵藤あおみさん。
お二人からは、日本上映に関する、裏話いろいろ。

◎日本での上映作品を選ぶ基準は?
日本でも人気のドラマ「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチ主演「フランケンシュタイン」なら良いかも、とTOHOシネマズで上演されるようになったこと。



NTLive自体はかなりの数がありつつも、日本では年に6作品程度の上映。やはりお客さんの入りを考えると、芝居自体ではなく日本でも名前が知られている俳優さんがいるかどうか、で映画館側のやる気も変わってくるそうです。まあそうだろうなあ…。

◎日本語翻訳を当てているのは日本側ではない
日本語訳は、現地でつけられています。翻訳に関しては、NTLive側が一括で管理しているそう。
それゆえ、「破壊的な」日本語が当てられていることもあり、初期そのまま上映した(契約上そうすることになっていた)作品では、お客さんからの文句も。NTLive側と交渉し、翻訳に関しては日本で監修し、一部変更をさせてほしいという契約に、最近は変わっているそうです。

◎上演時間や上演映画館を決めているのは…
映画全般でそうらしいのですが、どの映画館でどの時間に流すか、を決めるのは配給側ではなく、映画館。ほかの上映作品との兼ね合いで、どのスクリーンにどのタイミングで流すか、調整しているためです。集客が見込める作品は、大きなスクリーンで頻繁に流したいですものね。
NTLiveの上演時間は、TOHOシネマズの場合、予約開始の3日前前後にならないと出ないのですが、これは映画だと思うと、他の作品もそうなので仕方がないこと。
普段あまり映画は見ず、よく行く舞台の場合は何ヶ月も前から予定がでることが多いので、不思議に思っていました。解ってすっきり。

なので、自分たちにとって便利な場所・時間に上映をしてほしいと思ったら、映画館に意見として伝えるのが一番効果的ともおっしゃっていました。なるほどなるほど。

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その後、翻訳監修で参加されている柏木しょうこさんや、演出家の青木豪さん(劇団四季のスレートプレイ演出もされている!)、河合祥一郎さんも登壇し、NTLiveの作品について、おのおの印象に残った作品を軸にトーク。
そうそう!と自分も同じように感じたことに嬉しくなったり、熱く語る作品の心動かされたシーンを聞いてもう一度観たくなったり。

例えば、『誰もいない国(No Man’s Land)』については、作品が認知症をテーマにしていることもあって、原作を読んだだけではつかめない部分がたくさんある。
NTLiveで録画された、イアン・マッケラン&パトリック・スチュワートという名優だったからこそ、その理解できないぼんやり空間を、自然に埋めることができた、という点。



あるいは、『アマデウス(Amadeus)』で舞台上に上がったオーケストラ団員たちが、俳優としても参加していて、その存在も小粋だったこと。



『エンジェルス・イン・アメリカ』の脚本が秀逸で、アンドリュー・ガーフィールドの抜擢も成功の理由の一つだったという話も。



そして、全員が話題に上げていた『リア王』。



もう権利の都合で上映はないそうなのですが、観ればよかったなあ…予定が合わず行かなかった作品。
実際の舞台同様、その時しか観るチャンスがないということもあるから、気になったらがんばってでも足を運ばないとと、改めて思いました。

このイベントで楽しみにしていたのは、わざわざイベントに足を運ぶほどのファンの人たちが、どんなふうに作品を観ているのか、を聞いてみたかったからでした。
演劇に深く関わっている登壇者の方々視点はもちろんのこと、質問コーナーではお客さんの声の一部も聞こえてきて、その目的は充分に満たされました。

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話を聞いていて観たくなった作品もたくさん。
8月のアンコールで『夜中の犬に起こった奇妙な事件(Curious Incident of the Dog in the Night-Time)』『オーディエンス(The Audience)』は観ようとおもいます。





『スカイライト』も気になるなあ。



【NTLive Japan:2018年8月のNTLive夏祭り ラインアップ】

そしてやはりいつか、イギリス現地で舞台を観たいです。考えよう。

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(余談)
劇団四季『恋におちたシェイクスピア』を先月観て、「あれ、軽快なテンポでセリフ劇をしっかり見せる感じ、NTLiveで観ている舞台になんか近い気がするな…面白い」と感じていたのですが、その演出をしている青木豪さんが登壇者の中に見えたときに、全て腑に落ちました。
文化庁の留学プログラムで、イギリスに一時留学していらしたそう。興味深いお話がたくさん聞けたのも今回の収穫でした。

青木さんが昔観られたという、スペイン演出家の『イェルマ(Yerma)』のお話を聞いて、これから観たい作品リストに書き加えました。2018年9月28日(金)から。
またこういったイベントがあったら、きっと行きます。

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迷っていたこれは買うことにしました。楽しみ。

ナショナル・シアター 50周年オンステージ [DVD]
デレク・ジャコビ
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2018-08-08



2013年に50週年特別ステージが行われたんですね。名作のハイライト上演あり。
その収録映像や、BBC制作のドキュメンタリーを含んだ内容のようです。

その特別ステージ、アンコール上映当時のPV。


akikoyanagawa at 12:29 │Comments(0)

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