イイダ傘店2016冬 ポーチをもうひとつ映画館で『War Horse』NTLive

2016年11月06日

「冬物語」ケネス・ブラナー x ジュディ・デンチ

ロンドンのギャリック劇場公演の中継動画を、映画館で観てきました。
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今日観たのは、シェークスピアの作品「冬物語(The Winter's Tale)」。休憩もあって、上演時間は3時間ほどでした。
台詞回しや衣装、セットを、古典過ぎない風にアレンジしてあったので、普遍的なストーリーとしてすっと入っていくことが出来ました。

一番最近の「007」でMを演じていた、ジュディ・デンチに惹かれたのが足を運んだきっかけだったのですが、


彼女はもちろん、出演の俳優さんたちの存在感たるや、半端なかったです。


台詞一つ一つでこんなにも心が動かされるのか…と、最初から最後まであっけにとられっぱなし。
ストーリー自体は複雑なものではないのですが、緻密に描かれた人の心の動きや、時代が経った今でも想像が難しくないシチュエーション、時として起こる不思議な偶然が、怒りや悲しみ、おかしさとともに描かれています。

不安と嫉妬から、妻の不貞を勝手に想像し、盲信してしまうシシリア王(ケネス・ブラナー)は、
手に入れていた幸せすべてを、自分の手で壊していきます。自分で自分をどんどん追い込んで行く姿はものすごい迫力。これが一幕。
16年の「時」を経て、シシリア王が過去のあやまちを取り戻せるのか…贖罪について描かれるのが二幕。
調子の良い詐欺師によって、思わぬ結末に向かうところにくすりとしつつも、最後には登場人物たちの一言一言の台詞が、涙を誘います。

俳優の目から溢れる涙や、舞台の照明や衣装の美しさなど、構成を知り尽くしたカメラワークも手伝い、映画ではなく、あくまで舞台を観た感覚でした。
客席の笑い声やざわめきが、スクリーンからではなく、私たちの席を囲むように響いているのも良かったなあ。

作品前後に、当日の客席の様子もさらっと流れるのですが、ギャリック劇場が歴史ありつつも、こじんまりしたとても素敵な劇場で、公演映像で観られることを喜びつつも、現地で見てみたいという気持ちも一掃掻き立てられました。

私は、シェークスピア作品は「じゃじゃ馬ならし(Kiss me, Kate!)」と「真夏の夜の夢」くらいしか知らなかったのですが、台詞の巧みさに、ちょっとちゃんと読んでみたいな、とも思いました。

今回シシリア王として登場した俳優のケネス・ブラナーが、ギャリック劇場で上演を予定している作品のうち、日本では3作品が映画館で上映予定。
あまりに心に残るので、ほかの2作品(「ロミオとジュリエット」「エンターテイナー」)もこれは、観に行くことになりそうです。

【ブラナー・シアター・ライブ】
日本での上映の公式サイト。
上映される映画館は多くはない上、期間も短いので要チェック!
TOHOシネマズ日本橋では、チケットは上映2日前から発売です。

【Kenneth Branagh Theatre Company】
今回上演をしているケネス・ブラナー劇団本家のサイト。

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(オマケ)
ボヘミアの王子がテニス選手のマレーに似ているなーと思ったり…。

akikoyanagawa at 21:07 │Comments(0)TrackBack(0)

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