スタバのモレスキン、2021年ぶんが到着!『ナイル殺人事件』ケネス・ブラナー

2022年02月12日

『THE RESCUE』奇跡を起こした者たち

2018年、タイで洞窟が水没し、”冒険”と称してもぐりこんだ10代の男の子たち13人が、引き返せなくなった事故。
その救出までのドキュメンタリー映画を観てきました。The Rescue。



好きでインスタをフォローしている、ナショナルジオグラフィックのカメラマンさんJimmy Chin氏が監督のひとりとして参加していて、興味を持ちました。

【Jimmchin:instagram】

当時日本でも、連日報道があったと記憶していますが、その仔細な様子が、実際の当時映像と当事者のインタビューを交え、巧みに構成された2時間。
ほんとにギリギリの賭けが運良く周ったこと、そして心の底から助けなくては…!という関係者の努力の積み重ねが、結果を産んだのだと思い知らされました。

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何より驚いたのは、
当時の映像が大量に観られたこと

ある政治的な立場にいる人の妻が、なんと87時間分も映像を保管していたのだそうで、それを製作陣は残さず観て、使用して良いか権利関係の確認に奔走し実現したと言います。
焦る関係者や、ただただ祈る子どもたちの親の涙、生きていると分かった時のベースキャンプ関係者の喜びの顔と、困難極めた洞窟の中での救出までの様子。
洪水のように目の前に広がる実際の映像からは、当時の空気が余すことなく溢れ出ます。

この救出のキモになったのは、軍隊や救出のプロではなく、洞窟ダイビングを趣味とする民間人十数人。彼ら寄りの視点を軸に、映画は進みます。
しかし彼らは、イギリスやオーストラリアといった国から集められた、現地の人からすると「信用して良いのかよくわからない、外国人たち」。

当人たちも、「洞窟ダイビングする人って基本的に、一人でいるのが好きで、チームワークが苦手で、自分に自信がない人たち」と語っていて、変にヒーローとして描かず、彼らはただ自分がやるべきと信じたことを貫いただけ、という描き方にほっとしました。

タイの軍隊はプライド的なものも手伝い、自国の事故だし自分達が助けるべき!と勢い込んで乗り込むものの、特殊な環境下での潜水はやはりその道に詳しい「洞窟ダイビング同好家」たちに任せるしかなく、最後は全面的に彼らの提案に従うことになります。

フィクションの映画のように、がっつり握手!みたいなシーンはもちろんありませんでしたが、17日の間に信頼関係がある程度生まれ、各々が自分の能力に合ったポジションで協力し合っている様子に、とても心動かされました。

映画を見終えてからこの事故の実際の記録をざっと調べた見たのですが、今事実としてわかっていることをほとんど漏れなく映画ではカバーしていて、しかもできるだけ公平な視点を保とうとしている配慮も感じました。

一歩引いた立場から、あらましを俯瞰して表現することで、立場や国の事情といったものを超え、自分が為すべきと信じたことをしよう、という関係者のピュアな心情がより色濃く、見えたように思いました。

この映画、小さく上映をはじめたものの話題になって一気に上映映画館が増える、という国もあるそうで(カナダ、アメリカ)、これだけ重みのある作品なら、そりゃあそうだろう…!と納得する良作でした。

途中挟まる、洞窟の全体像を示した3D映像もすごくわかりやすかった。2時間引き込まれて観てしまうスピード感も秀逸でした。

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救出された少年たちが、甥っ子たち世代なだけに、彼らがこんなふうに取り残されたら…と思うと、もう最初からおばちゃん涙が止まらず(笑)。
救出作戦に参加した方がお二人殉職されたのはとても残念ですが、少年たちが全員無事でほんとうによかった。

大掛かりに上映はされていませんが、まだしばらく観られると思います。
私は有楽町ビックカメラ8階の角川シネマで観てきました。
ご興味あるかたは、ぜひ。



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Jimmy Chinのドキュメンタリー映画、こちらも有名。
フリーソロ [Blu-ray]
アレックス・オノルド
アルバトロス
2020-01-08



MERU/メルー (字幕版)
ジェニー・ロウ・アンカー
2017-07-06


akikoyanagawa at 18:44 │Comments(0)

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