タンブラーホルダー「リンロンフワミー」のピン留め

2006年07月09日

『僕らの夏」の終わり

mixiのコミュニティで話題に上っていたので、読んでみたくなり購入。

機動警察パトレイバー「TOKYO WAR」
押井 守 (著) エンターブレイン 2005


機動警察パトレイバーの映画2作目を、監督だった押井守氏が小説としてまとめたものです。

映画はもう何度も観ているので、この本は読まなくてもいいか、と思っていたのですが、

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映画では読み取れていなかった部分や、描かれていない細かなエピソードも加えられていて、また違う面白さがあります。末弥純さんのイラストもすごく綺麗。




(以下、ネタバレ含む。映画を見ていないかたはご注意。)


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映画の台詞はそのまま使われているし、話している場所や状況が違うシーンはあるものの、流れは映画と一緒ですが、10回以上見ても、意外と理解しきれていなかった部分が多くあり、字を追うことで「あーそういうことだったのね」とちゃんと理解してゆけてすっきりしてゆくのが気持ちよかったです。



“不正義の平和”“正義の戦争”この境目がいかに曖昧か、という後藤と荒川のやり取りや、「有事」に備えて、見慣れた東京の街中に戦車が配置されている様子、武装した自衛官たちに手を振る幼稚園児たち、といった、あまりに「あり得そう」な光景の描写はやはり恐ろしく、今現実の日本がこんな情勢だけに、考えるところがありました。



さて、映画でも触れられていますが、作品の軸になる「第二小隊」のメンバーたちは一線を退き、それぞれ別の警察の部署に異動しています。
久々に彼らが集まって、一緒にいた頃のことを話すシーンがあるのですが、これがなんだかとても印象深くて。

「あの頃は、今と違って忙しかったけれど、自分が何をすべきかが無意識に分かっていた気がする」と主人公・野明は言い(その場でそう言ったのは、彼女が言ったその台詞を覚えていた遊馬でしたが)、その時期を「昨日を振り返る余裕もないくらい充実していた、こどもの夏休みのような日々」と表した別の一人・進士は、「僕らの夏は、終わったんですよ」とつぶやくのです。



振り返ると、私にもやはりこの「夏休み」と呼ばれる時期はあって、その暑さや倦怠感はぼんやりと記憶に残っています。そのときはただ「こういうものだ」と淡々と過ごしていただけだったのに、あとで思い出すと、それが想像以上にまぶしく見えてくる。

私は、自分のそういう時期に、彼らの「夏休み」だった時期を描いた漫画をオンタイムで読んでいたので、余計に切ない気持ちになりました。



そして、主人公たちが異動した後、同じ場に残った、後藤ら上司たちの気持ちも、これから先、感じることがあるのかなあ、と、ちょっと遠くを見てしまったのでした。

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